あるサラリーマンの冒険的旅行ブログ

とあるサラリーマンの印象的な旅を綴った記録です

ディープなインド旅行5日目@バラナシ

万事手配していても何もかもが上手くいかない。だからこそ、それが運命と感じている。


一昨日からホストマザーのSeemaとガンガーのボートにどう乗るか相談していた。


レートは、

・大きい船の相乗りなら一人300ルピー(480円)

・小さい船の貸切なら1000ルピー(1600円)

だという。


ゲストハウスに泊まる予定のもう一人のゲストがボートを貸切にするつもりなので、シェアして料金を折半する交渉をすることにした。


また、沐浴したいことを申し出て、安全な場所と沐浴用の服を用意してもらうこととした。


ボートを漕ぐ男性はSeemaの知り合いで、先日もマレーシアの男性を案内したという。

その時の動画も昨夜の晩に食事をしながら見せてもらった。


全ては万事手配しており、朝を待つばかりだった。


朝5時に部屋に迎えにくるというので、その少し前に起きて準備を済ませていたところ、

時間を少し過ぎたところでSeemaが俺の部屋を訪ねてきた。


「彼は今日来ないわ。」

「えっ?」

「今日はインドの独立記念日だから、全てのボートは運行しないって」


ここまで手配しておいてさえ、うまくいかないものか。。


確かに8/15はインドの独立記念日なのは知っていたし、それを今後の行動に考慮に入れていなかった俺にも落ち度はある。

だが、なぜ事前に友人のボートマンはそのことを言わないのか?問い詰めたかったが今や無為なので口を閉ざすこととした。


いきなりやることがなくなってしまった。


せっかくのバラナシの朝なのだからと、日の出を見に、近くのアッシー・ガートに行くことにした。


既に人々はガートに集まり、毎朝行われているであろう宗教的セレモニーを催していた。

なるべくオープンマインドで瞑想的心境に至るように努めたが、なかなか難しい。


セレモニーが終わったあとは、ステージでバンドによる演奏が行われてた。インドの音楽ではあるだろうが、曲調がポップで聞いていて心地よい(📷)。


そこでまたインド人青年に日本語で話しかけられ、いつものやりとりが始まった。

彼はAnmolと言った。日本語は大して話せないが、彼はガイドを生業としており、それを機に仲良くしている友人が世界各国にいるようだ。


色々話すうちに仲良くなり、彼の旅の写真と俺の写真をお互いに見せ合った。


なぜか彼の写真は自撮り写真が多かったので、そのことを指摘すると、


「自分のことが好きじゃなしに、人のことを好きになんてなれないだろ」

「これって凄く重要なことだよ」


と真剣な眼差しで言われた。


「Yutoは自分のことが好きじゃないのかい?」

「少し好きかな」


考えさせられた。


小雨が降り始めてきた。

結局日の出は雲に隠れて見えないままだった。傘もないので一旦ゲストルームに戻ることにした。


記念に彼と写真を撮り(📷)、LINEのアドレスも交換した。

彼に「もし日本人でバラナシに来る人がいればガイドするので紹介してほしい」と言われ、承諾して別れを告げた。


帰る途中に、隣接した人気の少ないトゥルスィー・ガートに寄り、パンツ一枚を残して裸となり、ガンガーに沐浴した(📷)。


底は泥でヌルヌルしており少し気持ち悪かったが、肩まで浸かり、ガンガーの水を手で掬って頭に何度もかけた。


服を着て、小雨を浴びながら、何となくインド人の気持ちが知りたくなり裸足でゲストルームまで帰った。


バラナシに来てやるべきことはやりきった清々しい思いだった。


帰ってからシャワーを浴び、しばらく伸ばした口髭を剃り、髪型や身だしなみを整えて、Seemaさんにいただく最後の朝食を食べた(📷)。


これからどうするのかを聞かれ、マニカルニカーよりもさらに下流を散策して、列車の時間に間に合うように適当に帰るつもりだと告げた。

そうするとマニカルニカー近くのオススメのBlue Lassyというラッシー屋を勧められ、そこに寄りつつ帰ることにした。


前日分の日記の投稿を終えて出発する頃はもう荷物を持って出かけた方が良さそうだった。


Seemaにご馳走になった食事の代金とお世話になったお礼。そして次に来るときはフィアンセを連れて来ることを伝えて別れを告げた。


ラッシー屋は遠く、荷物も重いので、オートリクシャーで行くことにした。ちょうど話しかけてきたドライバーに行き先を告げ、値段交渉をして向かう。


しかし、途中で独立記念日を祝う車列と交通規制に出くわし、途中下車せざるを得なかった。

ドライバーは満額要求したが、当然ながら値切って話を付けた。


歩いてラッシー屋に向かい、マンゴーラッシーを食べた(📷)。「あ、何か普通の観光っぽいな」とちょっとウケた。


その後、近くにある傾いた寺院が有名なガートを見て(📷)、たまたまそこに一人で日本人観光客とお互いの旅について言葉を交わした。彼と別れたあとはオートリクシャーに乗りバラナシ駅に到着した。


これからまたコルカタまでの長時間の列車に揺られなければならない。

必要な食料を買い込み、列車を待つ。


そういえば、ちょっとした変化に自分で気づいた。

行きと帰りで、バラナシ駅の同じあたりを歩いており、案の定、客引に絡まれるわけだが、行きでは無視するか、”No”とか”No need”と言うくらいしか対応しなかった。

ただ、帰りには「ショッピングするだけだよ」とか「これからコルカタに帰るんだよ」とか対応している。これが心の余裕というやつか。


さて、到着のルーズさと、遅れた時間が過ぎても変わらないような表示の不親切さには驚くが、なんとか4時間遅れの列車に乗った。


早速、隣の席で口げんかだ。やれやれ。なんで列車に乗るだけで喧嘩すんだよ。。


帰りの飛行機に間に合うよう列車の時間は十分に余裕は見ているが、出発時点で遅れているのが気がかりだ。

こればかりは俺自身じゃどうにもならない。


明日何とか飛行機の間に合う時間には到着してくれよ。


祈るようにして今日を終えた。


5日目終わり